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斉藤和義 LIVE TOUR 2011-2012 "45 STONES" 広島市文化交流会館 12.25 [斉藤和義]

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 12月25日、クリスマスに行われた斉藤和義の広島LIVEに行ってきた! 
 主題歌を担当したドラマ「家政婦のミタ」が視聴率40%を超えたり、その主題歌「やさしくなりたい」がオリコンデイリーチャートで最高位5位&100万ダウンロードを突破! そしてSMAPに楽曲提供した「僕の半分」もオリコンデイリーチャート1位を記録したりと、今最も旬なアーティストといえるせっちゃん。
 この日は、午後5時開場、5時30分開演だったが、長い列をつくって開場を待つお客さんはそんな和義人気を反映してか、いつもより若い年齢層の人たちが多いように感じられた。
 

 今回の座席は、2階の最前列。隣りの若いカップルの会話に耳を傾けると、どうやらせっちゃんのコンサートは初めてのようだ。
 ステージにはツアーグッズのバンダナのデザインにも使われている可愛いキャラクターの描かれた緞帳が下りている。
 「間もなく開演いたします」と、女性の声でアナウンス。客電が落とされると、再度、「間もなく開演いたします」の声。さらに間髪入れず「間もなく開演いたします」…同じことを何度もしつこいなぁ、と思っていると、その女性の声で「それでは開演いたします。1曲目は、『Would you join me?』」。その瞬間に緞帳が下ろされ、1曲目の「Would you join me?」がスタートした。
 おおっ!意表をついたオープニング。ステージ中央にゴールドのGibson Les Paulを抱えたせっちゃん。相変わらずギターを抱えた姿がカッコイイぞ! 上手にはベースの隅倉弘至とギターの藤井謙二、そして下手には同じくギターの辻村豪文。ドラムセットは2つ準備され、向かって左側のグリーンのセットに玉田豊夢が座っている。みんなツアーグッズにもあるワークシャツ姿だ。ステージ上にはドラムセットを挟んで巨大なスピーカー(のセット)が2つ。頭上には「45 STONES」のロゴが輝いている。2階席から見ると1階席は総立ちだ。斯くいう私もすでに立ち上がっていたが(笑)。
 2曲目はやはり最新アルバムから「桜ラプソディ」。どことなくZeppelin風のナンバー。そういえば、今回、ライブ前にガンガンLed Zeppelinがかかってた。
 続いて10年前のアルバム「35 STONES」から、「ささくれ」、「劇的な瞬間」といったナンバーが続く。「ささくれ」では「そうだろ~」というかけ声がかかる。

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 曲が終わりステージ上が明るくなると、「イェ~イ、広島~」といつものゆる~いMC。
 「クリスマスですね。でも、クリスマスはあんまりいい思い出がなくて、当時付き合ってたお姉ちゃんが、クリスマスに向けて、オレの部屋をいろいろデコレーションとかしてくれたんだけど、当日来なかったっていう…。次の日に「ごめ~ん」とかいって。…でも結局やっちゃったんだけどね(笑)」
 せっちゃんギターと藤井くんのスライドギターの掛け合いのあと始まったのは「ずっと好きだった」だ。一瞬、「『ずっとウソだった』の方かな?」と思ったが、「好き」の方だった。私はこの曲の「真夜中のプール」などに通ずる甘酸っぱい感じが大好きなのだ。
 4月初めの「ずっとウソだった」の騒動はインターネット上で知り、削除とアップのいたちごっこの中で、やっと動画を目にすることができた。まだ、斉藤和義本人であるとは明かされていなかったが、「きっと、せっちゃんだよね」、「ここまでハッキリ言って大丈夫かな」と、「COVERS」での忌野清志郎さんの闘いをリアルタイムで知っている“中年”としては心配したりした。
 続いて、やはり「35 STONES」から、「グッドタイミング」。せっちゃんはギターを持たず、ハーフムーン型のタンバリンを叩きながら歌っている。キャッチ―なナンバーが続いて、客席にもハッピーな空気が漂う。
 曲が終わるとせっちゃんは黒のJ-45を抱え、豊夢くんも隣りのブルーのドラムセットに移る。
 「3月11日はレコーディングをしていて、やっぱスタジオもかなり揺れて、その日はそこで解散ってなったんだけど、次の日にスタジオに入って、できたのがこの曲です」
 そう言って始められたのはアルバム「45 STONES」のオープニング曲「ウサギとカメ」だ。曲調こそ違うが、2011年の「歩いて帰ろう」ともいえるこの曲。ゆったりとしたリズムとせっちゃんの言葉に身を委ねながら、TVでみた3.11の光景を思い出している自分がいた。
 この後のメンバー紹介では、辻村くんのキセルでの活動の話、隅倉くんが「初恋の嵐」の活動を再開し、次のライブでゲストボーカルで出演すること、藤井くんが広島県福山市出身で、元My Little Loverのメンバーで、今はThe Birthdayのメンバーであることなどが紹介される。
 そして、向かって左側のスピーカーの前にセットされたエレピに移ると、「ずっとウソだった」の騒動についても、「地震とか原発のこととかあって、あの歌を歌って、干されるかと思ったけど、そうでもなくて(笑)」とさらりと語る。
 さらに、「さっき、雪降ってたね。ホワイトクリスマスじゃん。そういえば、クリスマスには必ず広島にいるんだよね」なんて話しながら、♪雨は夜更けすぎに~と、達郎さんの「クリスマス・イブ」をエレピの弾き語りでちょこっと披露。大きな歓声が上がると、2度3度とそれを繰り返す(笑)。
 曲はせっちゃんのエレピからスタートする「映画監督」だ。これが聞けるとは思っていなかったので感激!
 続いて、アルバム「NOWHERE LAND」からヘビーな「わすれもの」。せっちゃんのエレピによる低音のリフの繰り返しにからむ藤井謙二のソリッドなギターが効いている。
 震災での出来事を忘れないというメッセージが込められているという「雨宿り」は、エレピでの弾き語り。何度も繰り返し登場する「あなた」が清志郎さんであると感じているのは私だけではないだろう。
 センターの位置に戻り、アコギを手にしたせっちゃんは、「虹が消えるまで」を披露。この曲で使ったギターの音がとっても優しくて素敵な音だったな。
 そして、再びエレキを抱えたせっちゃんが静かに紡ぐアルペジオが「歌うたいのバラッド」だと気づくのにそれほど時間はかからなかった。バックドロップには満天の星空を思わせるたくさんの光が輝き、ブルーのライトがせっちゃんを照らしている。静かに、厳かに歌いあげられる1番。2番からはメンバーも演奏に加わり、徐々に厚みを増していくサウンド。辻村くんと藤井くんのツインリードギターが曲をさらに盛り上げ、藤井くんによるギターソロ。2度目の「今日だって~」前のブレイク部分では、息をのむ静けさ。そしてエンデイングのせっちゃん渾身のギターソロ。やっぱり最高にいい曲だ。曲の最後の一音まで耳を傾けた後は長い拍手が続いた。
 続く「おとな」はそんな張りつめた空気を緩めてくれるようなナンバー。ここでも、 辻村&藤井のツインリードが大活躍だ。
 
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 「これね、松嶋菜々子さんからもらったんだ」と、サイン入りエプロンを客席に見せ、「ほら、『抱いてください。菜々子』って(笑)」。「ここに黒のラインが入ってるでしょ? 運命に縛られた感じを出してるんだって」と、ドラマ「家政婦のミタ」のネタ。
 「あの番組の曲を依頼してきた人が、昔、オレのライブでドラムとか運んでた子で、今じゃ松嶋菜々子や、井上真央ちゃんを抱えるプロダクションの社長になってて、ほんとビックリした(笑)」「最後、視聴率も凄いことになって、…全部おれのおかげなんだけど(笑)」。(「松嶋菜々子に会えた?」の声に)「プロモの撮影の時に、出演者みんなに会ったんだけど、すっごい綺麗で、違う生き物って感じ(笑)」。
 せっちゃんにイントロの演奏を促された辻村くんが、ミタさんのように「承知しました」と言って演奏を始めたのには笑ったが、やはり「やさしくなりたい」は話題の曲ということで、あのイントロが聞こえた瞬間から凄い盛り上がり。この曲が聞きたくてコンサートに来た!って人もきっと多かったのだろう。
 ここで、汗をふきふきせっちゃんが後ろのブルーのドラムセットに移動。嬉々としてスティックを持ち、ヘッドセット(マイク)を装着。
 せっちゃんのドラミングから始まったのは、豊夢くんとのツインドラムでの「虹」だ。走り気味だが、それがまたイイ。せっちゃんの気持ちの昂りが感じられるようだ。スピーカーのセットに取り付けられた電飾が輝き、そのままのテンションで、「罪な奴」になだれ込む。やっぱり速くて、私は「オギャーオギャー」についていけない(笑)。曲のエンディングでは、豊夢くんの叩いたフレーズをせっちゃんがまねするドラムバトルもあった。最後、放り投げたスティックを豊夢くんはバッチリキャッチしたんだけど、せっちゃんはあらぬ方向へ投げてしまったり…(爆笑)。

 そして、いよいよ「45 STONES」の中でも、怒りや憤りといった現在の斉藤和義の心情が色濃く反映された「猿の惑星」、「オオカミ中年」といったナンバーが演奏される。不穏なライティングの中、スピーカー部分にはピースマークが映し出されている。曲の中間部では「ずっとウソだったんだぜ~」もちょこっと登場。
 私自身も原発事故に対しては「やっぱりウソだったんじゃないか!」「想定外ってなんだよ!」と怒ったクチだが、ライブ会場で、みんなといっしょに「NO NUKES!」と、叫ぶ気にはちょっとなれない。手拍子しながら「せっちゃんはそう思ってるんだ」「オレもそうだよ」という感じで静かに受け止めていた。そういえば、大のせっちゃんフリークである仙台在住の作家・伊坂幸太郎さんは、「まだ考えがまとまっていないが」と前置きした上で、「ずっとウソだった」や反原発ソングを歌う斉藤和義に抵抗を感じているとし、「嘘をつかれていたと一方的に歌い、誰かをなじることはフェアじゃないように思えた」「あの時、被災地でライフラインを断たれ、先が見えず不安に思っている人たちが、今そんなことを言っている場合ではないのに、と寂しい気持ちになっても不思議ではないのでは…」と、何かに書いていたが、それもなんとなくわかるような気がした。
 続いて、明るめの「Stick to fun! Tonight!」。最新アルバム「45 STONES」もそうだが、今回のライブも振り幅が広い。雰囲気がヘビーになると、明るい曲を演奏してくれる。ここでも、ポッキーギターこそ登場しなかったが、せっちゃん、辻村くん、藤井くんによるKARA風ヒップダンスもあったりして、会場は大ウケだった。
 続く「COME ON!」では、巨大スピーカーの上から、ナイスバディーの色っぽいキャットウーマンのバルーンが登場! 左に白、右に茶色の猫ちゃん。もちろん客席は、「COME ON!」の大合唱だ!
 せっちゃんがギターを抱え、ステージ右端まで飛び出してくる。ジャッジャッジャ~ッ!と「歩いて帰ろう」のイントロを途中まで弾き、客席が盛り上がったところで止める。何度かこれを繰り返し、また、客席にピックを投げ入れたりしながらお客さんを煽る、煽る! 開演前に「せっちゃんのコンサートは初めて」と話していた隣のカップルも、立ち上がって腕を突き上げている。「嘘でごまかして~」では、もちろん大・大・大合唱だ!
 そのままのテンションで、「ボクと彼女とロックンロール」へ。藤井くんが広島カープの野球帽と、齊藤悠葵投手の背番号21のユニフォーム姿で登場しハープを演奏。ハッピーなロックンロールナンバーで、会場は即席ダンスフロアと化す。
 「ありがとー広島ぁ!」
 使っていたピックを客席に投げ入れ、ギターを肩から降ろすせっちゃん。両手で小さくバイバイしながら、メンバーと一緒にステージ下手に消えていく。
 もちろんすぐさまアンコールの手拍子が起こる。

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 アンコールの手拍子がしばらく続いた後、ステージが明るくなると、下手からアコギを抱えたせっちゃんが登場。スピーカーを見上げながら、
 「風船(猫ちゃん)もちっちゃくなってるけど(笑)。ホントはこのスピーカーのところを、おっぱいみたいにふくらませたかったんだけど、予算の都合上、今回はなくなりました(笑)」
 「それじゃあ、予定にはなかったんだけど、広島の大スター、奥田民生さんの曲を!」
 後から出てきたスタッフから歌詞カードを手渡され、慌ただしくそれをマイクスタンドに取り付けると、「半人前がいっちょまえに~」と、奥田民生の「息子」を弾き語り。いやぁ、これはとてもいい感じの演奏だった。聞くところによると、先日、厳島神社でおこなわれた民生くんのライブで、「歌うたいのバラッド」がカバーされていたらしいので、そのお返しだったのかも。
 続いてバンドメンバーが登場し、「Are You Ready?」、そして、日替わりメニューの「満男、飛ぶ」を演奏。この曲、結構好きだ。カープユニを着たままの藤井くんのスライドギターもとってもよかった。
 「『ドレミの歌』って知ってますか? これ、みんなで歌うと、とっても気持ちいいんですよ!」
 強引なせっちゃん。例のCM(江崎グリコの「みんなに笑顔を届けたい」)を知らなかったら、「なんで?」って感じだろう。
 「1階の人は、ドミミ、ミソソって歌って、2階の人はソ~ド~ラ~ファ~って歌ってください!」
 それでも、みんなせっちゃんのギターに合わせて、「ドレミの歌」を大合唱! 途中、歌詞が下ネタになってはいたが、おおよそロックコンサートらしくない、和やかな雰囲気となる(笑)。
 「実は、ギターのオークションをやろうと思っていて、その収益で、ギターを買って、被災地の学校に贈ろうっていう計画でね」
 最後の曲の前に、せっちゃんから発表された計画。
 「ギターって、難しくないんだよ。押さえるところが絵にかいてあるタブ譜とかもあるし。子どもたちにいいんじゃないかと。最初に『禁じられた遊び』とかやるから、つまんなくなっちゃうんで、オレが教えに行ってもいいし、教則ビデオをつくってもいいしね。いま、ちょっとあたってもらっているんで、そのうち発表できると思います」
 こういうのって、せっちゃんらしいよね。とてもいいと思う。たぶんオークションでは高値がついて、私には手が出せないと思うけれど、きっと上手くいくんじゃないかな。
 この間、スタッフからメンバーにサンタの帽子と衣装が手渡されるが、せっちゃんはサイズが合わなかったのか何度かのトライの後、着るのをあきらめる。
 曲はアルバム「45 STONES」でもラストを飾っていた「ギター」である。辻村くんはイスに座ってウクレレを弾いている。せっちゃんの歌もなんだかやさしい。ドラムセットの横には、今度はサンタクロースのバルーンが登場している。当然、Yeah Yeah Yeah!のところはみんなで大合唱! そして、それにあわせて最初は1階席の数人が両腕を左右に振っていたのが、最後は会場全体まで広がっていった。気持が安らぐ、ハッピーなエンディングだ。
 メンバーが手をつないで深々と礼をし、並んでバックステージへ。藤井くんは被っていたカープ帽、そして着ていたユニフォームも客席に投げ入れた。あとで、公式HPの「Staff Diary」をのぞくと、ユニフォームにはメンバー全員のサインも入れられていたという。手に入れた人にとっては、きっと最高のクリスマスプレゼントになったことだろう。

 
SET LIST
01.Would you join me
02
.桜ラプソディ
03
.ささくれ
04
.劇的な瞬間
05
.ずっと好きだった
06
.グッドタイミング
07
.ウサギとカメ
08
.映画監督
09
.わすれもの
10
.雨宿り
11
.虹が消えるまで
12
.歌うたいのバラッド
13
.おとな
14
.やさしくなりたい
15
.虹
16
.罪な奴
17
.猿の惑星
18
.オオカミ中年
19
Stick to fun! Tonight!
20
COME ON!
21
.歩いて帰ろう
22
.ボクと彼女とロックンロール
encore

23.
息子(奥田民生カバー)
24
Are You Ready
25
.満男、飛ぶ
26
.ドレミの歌
27
.ギター

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斎藤和義
KAZUYOSHI SAITO LIVE TOUR 2011-2012 "45 STONES"
2011年12月25日(日) 17:00開場 17:30開演
全席指定 5,500円
広島市文化交流会館(旧 広島厚生年金会館)
2階 1列 66番


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コメント 2

けいいち

レポありがとうございます!
いや~会場の雰囲気が伝わってきました!!
年齢層が若かったとのこと・・・
私はせっちゃんのLive行くと若い方に分類されてましたが(・・・勝手に思っている)もう若い方じゃないかも!?
民生さんの「息子」をカバーですか!?
民生さん、厳島神社で「歌うたい~」カバーしてましたねぇ。
確かに・・・お礼かも(笑)
by けいいち (2012-01-19 12:20) 

jiri

けいいちさん、いつもコメントありがとうございます。コメントいただくと励みになります。
はい、私なんぞ(せっちゃんより2つ上)に比べると若い人が多かったですね。10代後半とか、20代の方…。うちの娘も、斎藤和義は気になっている感じですし。まぁ、コンビニでもフツーに斎藤和義がかかっている時代ですものねぇ。
せっちゃんの歌う、民生くんの「息子」よかったですよ。鳥肌モノでした!

by jiri (2012-01-21 10:30) 

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