Rainbow 「Rising」DELUXE Edition [Blackmoreの隠れ家]
Rainbowの名盤「Rising(虹を翔る覇者)」のDELUXE Editionがリリースされました。Disc 1には「Rising」のNew York MixとLos Angels Mixなるものが収録され、Disc 2には、Rough Mixと記された音源が収録されています。
オリジナルの「Rising」は1976年にリリースされました。リッチー・ブラックモア(g)、コ-ジー・パウエル(ds)、ロニー・ジェイムス・ディオ(Vo)の、いわゆる三頭政治の幕開けを告げるアルバムで、初期のRainbowマニアにとっては最強・最高、唯一無二のアルバムです。
私はというと、残念ながら「Rising」発表時は小学生であり、リアルタイムでこのアルバムを聴いていたわけではありません。Rainbow体験は次のアルバム「Long Live Rock'n Roll(バビロンの城門)」からで、「Rising」はもちろん遡って手に入れましたが、実をいうと、そんなに思い入れのあるアルバムではないのです。正直、「Stargazer」なんて、「Monsters of Rock」のグラハムのヴァージョンのほうが馴染みがあるくらいですから。
Disc 1のNew York Mixは、国内盤CDとの違いはわかりません。Los Angels Mixのほうは、オープニングの「Tarot Woman」などをNew York Mixと聴き比べてみると、キーボードソロに続くリッチーのギターリフの出てくるタイミングやフェイドイン時の音量に違いがみられます。このアルバムで聞かれるリッチーのギターサウンドは、元々がチープな音で、「ストラト+マーシャルの悪い所だけが出ているサウンド」といわれ、「何とかならなかったのか?」と思ってしまいますが、Los Angels Mixでは若干ギターサウンドにも広がりが感じられ、聞きやすくなっている気もします。
Disc 2の「Rough Mix」は、あのCozy Tapes(コージーの遺品のカセットテープ)を元にした一連の音源からのもののようで、「Stargazer」にキーボードによる長いイントロが付いていたり、「Do You Close Your Eyes」にコージーのカウベルによるカウントが付いているとか、細かな違いがあります。この音源は、コージーのドラムサウンドが中音域が強調(高音域が劣化しているだけかも)された迫力あるものになっていたり、ジミー・ベインのベースもオリジナルに比べてはっきり聞こえてくるなど、オリジナルのMixよりも生々しく迫力のあるサウンドになっていましたが、今回のDELUXE Editionでは、さらに分離のよい聞きやすいものになっていると感じます。
当初、国内盤だけに3曲収録されるとされていた、パイレート・サウンドでのツアー・リハーサル音源は、輸入盤も国内盤も「Stargazer」の1曲収録のみ。「TOWER OF BABEL」などで有名な音源に手を加え、なんとか聴けるレベルにまで仕上げていますが、元々があれですから、このくらいの音質で仕方がないのかも。これを3曲はファンでも辛いですから賢明な判断だと思います。
次は、私的にはRainbowの最高傑作と信じてやまない「Long Live Rock'n Roll」のDELUXE Editionのリリースが噂されています。「Gates Of Babylon」のRough Mixなんかも発掘していただいて、リリースの運びとなればうれしいのですが。
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