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四国カルストから四万十川を眺めながら食べる恐るべき讃岐うどん① [四万十川に行こう!]

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 9月21日(土)、午後13:30。西条IC(インターチェンジ)から山陽自動車道にのった愛車CR-Vは、一路四国をめざして走る。今回の旅は四国4県の美味しいところをかじりながら、高知県の四万十川をめざす旅。私が四万十川を訪ねるのは今回で2度目。1998年の夏に河口の中村市でおこなったキャンプで四万十川の魅力に取り付かれ、毎年のように訪ねる計画だけは立てていたのだが、今回、4年ごしの夢がやっと実現したのだ。
  四万十川は高知県東津野村にある標高1336mの不入山(いらずやま)を源流とする、全長196kmもの大河で、3つの市と6つの町、6つの村を抜けて、中村市にある河口から土佐湾へと流れ込んでいる。日本最後の清流として有名で、美しい水辺の風景と、カヌーや河原での川遊びやキャンプ、鮎やテナガエビ、ゴリやうなぎといった水中生物など、多くの魅力で楽しませてくれる。
 15:00。愛車CR-Vは山陽自動車道の倉敷Jct(ジャンクション)から瀬戸中央自動車道に入る。鷲羽山ハイランドを横目で見ながらしばらく走ると、本州と四国を結ぶ巨大な瀬戸大橋が姿を現す。全長9368mは世界最大の道路・鉄道併用橋だ。
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 いよいよ四国・香川県である。坂出ICで自動車道をおり、国道438号線を南へ。
 今回は“四国4県の美味しいところをかじる”旅でもあるので、ここ香川では当然近年大ブレイクの「さぬきうどん」を賞味しなければならない。とりあえず、ブレイクのきっかけとなった「恐るべきさぬきうどん」という本に、“今のうどんブームがあるのは田村のおかげである”と紹介されている「たむら」という店へ向かう。広島県人が、誰もが自分こそ一番のお好み焼き通と思っているように、香川県人も自分こそ一番のうどん通だと思っている。そんな香川県民が「これぞ、さぬきうどん!」と太鼓判を押すのが「たむら」なのだそうだ。
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 だが、地図をたよりにやっと「たむら」に着くと、店は異様な静けさ…。なんと、「たむら」は、その日の麺(うどん)がなくなり次第閉店してしまうという店で、その日も昼過ぎには終わってしまっていたらしい。さすが超有名店! すでに午後3時半だもんね。残念だけど仕方ない。広島からわざわざ来た、といってもないものはないのである。田村のおじさんのニコニコ顔をまぶたに焼き付け、気持ちを切り替えてガイドブックをのぞき込むと、かなり近くに、「赤坂製麺所」といううどん屋があるのを発見する。
 「赤坂製麺所」に着くと、これまた異様な静けさ。客も一人もいなかったので、「また、だめか?」と思ったが、店に入ると、気のよさそうなおばちゃんが「い~らぁっしゃい~」と、独特の節回しで迎えてくれる。行くまで気づかなかったのだが、このおばちゃんの節回しで、以前この店を「週間パパたいむ」(RCC中国放送)か何かでみたことを思い出す。ここは“不思議な節回しで話すおばちゃんと、白ひげのおじちゃんのいる、自分でねぎを切る(しかもハサミで)店”なのである。
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 店の中は完全に製麺所。座るところさえない。「温いのか冷たいのか、大きいのか小さいのか決めてぇね~」といわれ、とりあえず“冷たいのの小”を注文する。おばちゃんの話を聞くと、“冷たいの”は、ゆでた麺に自分で切ったねぎをのせ、しょうゆを「一回り半」ほどかけていただくのだそうで、一方の“温いの”はつゆがかけられた、いわゆる“かけうどん”である。
 まもなく小さなどんぶりに、麺だけが入れられて出てくる。おばちゃんに言われたとおり、はさみでねぎを切って麺の上にのせ、しょうゆを一回り半ほどかけた麺を口に運ぶと、ぷりぷりした麺の美味しいこと。これならしょうゆだけで刺身のように食べられるのにも納得。ほんの数秒で一杯を平らげると、おかわりが欲しくなったが、すでに夕飯時も近いので(今日宿泊する予定のペンションに夕食は用意してあるはずなので)、ここは我慢。3人分で300円のお金を払い、「まぁ~たきぃ~てね~」という、おばちゃんの声に見送られ、店を後にする。
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 今回の旅には,いつものように愛犬クッキーも連れて来ている。ウエルッシュ・コーギーという種類の犬で、足の短い尻尾の無い犬、というとわかってもらえるだろうか。犬連れで旅をしていると,実はかなり宿は制約されてしまう。犬連れではダメよ,という所が圧倒的に多いのだ。キャンプ場でさえ最近はペット不可のところが多くて、困ってしまうが、犬(動物)嫌いの人の気持ちもわからぬことはないし、マナーのよくないペット連れの人も多いから,まあ仕方がない。
 そうこうしているうちに車は、国道193号線から塩江温泉郷にはいる。塩江温泉にほど近いダム湖のほとりに,今夜の宿「ペンション・ウッディーハウスミモザ」はあった。 
 小さな小学校といった感じの「ウッディーハウスミモザ」は、ペットOKの宿である。といってもペンションの中を自由に放し飼いにしてもかまわないというわけではなくて、ケージ(かご)の中に入れておいてくれれば、玄関に置いていてあげます、という宿である。それでもペット連れの我々にとっては非常にありがたい。塩江温泉のエリアに入ってはいるのだが、近くにはバブルがはじけたからかどうかは知らないが、倒産してしまったらしいホテルがあったりして、ちょっと寂しい雰囲気(まぁ、これはこのペンションのせいではないが)。
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 迎えてくれたのは女性オーナー。ペンションの中にはフェレット(いたちみたいな動物)が飼われていたりして、ペットOKなのがわかる雰囲気。部屋にはそれぞれ野菜の名前が付けられていて、うちは「とまと」と名づけられた6畳ほどの部屋。小さい部屋だがロフトもあり、階段をのぼっていくと、2人ぐらいは寝ることができそうなスペースがある。今夜の宿泊客は,直前に10名の団体のキャンセルがあったとかで,なんとうちだけ。寂しい雰囲気(?)がさらに増す。
 夕食までしばらく時間があったので、クッキーを連れて近くを散策。ダム湖にはこの夏雨が少なかったためだろう、水がほとんど無い状態。湖畔に作られた運動場&公園にも草が生え放題で、夕暮れも迫り、さらにさらに物悲しい気持ちとなる。
 散歩から戻り、香川県でしかやっていないTV‐CMなどを興味深くみながら、部屋でゆっくりしていると、夕食の準備ができたとの知らせ。今夜の夕食はバーベキューだそうだ。女性オーナーに案内され食堂のすぐ横にあるウッドデッキへ出ると、すでに炭火がおこされている。大皿には肉や野菜などのほかに「あめご」が2匹。「あまご(やまめ)」のことを、このあたりでは「あめご」とよぶのだそうだ。amego.jpg
 「あまご」は“渓流の女王”とよばれ、釣ってよし、見てよし、食べてよしの美魚である。私は残念ながら渓流釣りはできないが、体側にある楕円形の美しいパーマークに魅せられ、いつか部屋の水槽(現在はめだかが3匹)に渓流を再現し、「あまご」を飼ってみたいと夢を膨らませている一人だ。もちろん川魚の中で最も美味しいと思っている。
 まぁ、それはさておき、大好きな「あめご」の登場もあって、それまでの寂しい雰囲気はすっかり消え去り、夕食は楽しい宴となった。調子に乗って、フェレットにちょっかいを出して、中指をがぶりとやられ、大流血してしまったりもしたが、まぁ、それも楽しい思い出となったのである。

 

広島県・西条IC→山陽自動車道→瀬戸中央自動車道(瀬戸大橋)→
香川県・坂出IC→国道438→国道32→
赤坂製麺所(綾歌郡綾南町陶5781-6)→国道377→国道193→
ペンションウッディーハウスミモザ(香川郡塩江町上西乙610-1)


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