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ヨーロッパよじれ旅③「フランス編」 [ヨーロッパよじれ旅]

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 パリは今年、革命200年祭で賑わっている。街のあちこちで200年祭のバッチ、Tシャツが売られ、デパートの中もその関連商品でいっぱいだ。
 今日、これから行く「ルーヴル美術館」も200年祭ということで大ルーヴル構想なるものが計画され、以前とは大きく変わろうとしている。まず、中央広場にガラスのピラミッドが建てられ、そこが中央入口になった。そして、展示スペースも、これから10年かけてさらに広くするのだそうだ。
 あいかわらず、愛想の悪いホテルのレストランのウエイトレスさんにアッカンベーしながら、クロワッサンだけの朝食をとり、開館時間にあわせてホテルを出発した。Image9.gif
 「オルセー美術館」の横を通り、橋の上から「ルーヴル美術館」の方を見ると、すでに何台もの観光バスが止まっている。休館日の次の日はめちゃくちゃ人が多い、ということだったが、本当のようだ。
 自然と歩くスピードが速くなる。ふと「車道を横切ってやろうか」という誘惑にかられたが、ここは免許がなくても車に乗れるという危ない国らしいので、おとなしく舗道を歩いた。
 ルーヴル宮殿の敷地に入ると、ガラスのピラミッドが真っ先に目に入る。テレビ、新聞などは、このピラミッドを「ルーヴルの美観を損なう」などと酷評しているようだが、なかなかどうして、けっこう美しいではないか。
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 ピラミッド正面の入口から地下のチケット売り場へ。入館料は25フラン。日本円で500円くらいだろうか。売り場には自動券売機もあるのだが、なぜか誰も使おうとしない。
 ルーヴルの展示スペースは大きく「シュリー翼」「ドノン翼」「リシュリュー翼」と名づけられた3つのブロックにわけられ、チケット売り場から目的別に入れるようになっている。
 例えば「ミロのヴィーナス」をみたいのなら、「シュリー翼」入口から第8室へ。「モナ・リザ」をみたいのなら、「ドノン翼」入口から第5室へ行けばよいのだ。
 もちろん「オルセー美術館」同様、日本語無料解説書はあるし、有料だがカセットテープによるイヤホーンガイド(日本語)もある。
 以前大蔵省が入っていたという「リシュリュー翼」は、まだ整備中でオープンは1993年ということだったが、館内はそれでも広いし、作品も多い。
 私はまず「ミロのヴィーナス」を探すことからはじめ、「サモトラケのニケ」、ミケランジェロの「瀕死の奴隷」、ボッシュの「愚か者の船」、ドラクロワの「民衆を率いる自由の女神」、ジェリコーの「メデュース号の筏」、レオナルド・ダ・ビンチの「モナ・リザ」、ヴェロネーゼの「カナの婚礼」、アングルの「グランド・オダリスク」、ダビットの「レカミエ夫人の肖像」(「ナポレオンの戴冠式」は修繕中でみることができなかった)、デューラーの「自画像」など、有名な作品だけを見て回っても、ゆうに2時間以上はかかってしまう。
 1作1作味わいながら見て回る…なんてことをしていたら、それこそ1週間以上はかかってしまうだろう。今回は作品がどこにあるのか見つけただけ、という感じだったが、とにかく疲れた。広い館内をあっちこっち動き回って、足が棒のようになっている。「きっとまた来る! 絶対来る!」と誓って「ルーヴル美術館」を後にした。

 「ルーヴル美術館」の前には「チュイルリー公園」が広がっている。公園の中には、やはり200年祭の関連で遊園地が作られ、日本では絶対に許可されないような、雑な作りのジェットコースターや観覧車が平気で動いている。思わず乗ってしまったが、やはり怖かった。

 よじれ旅最後の目的地である「オランジュリー美術館」は、この「チュイルリー公園」の中にある。すぐ隣には「コンコルド広場」があり、マイケル・ジャクソンが泊まったというホテルも近くに見える。
 この美術館のハイライトは、やはりなんといってもモネの「睡蓮の間」であろう。2部屋ある楕円の展示室の壁面いっぱいに、ぐるりとはめこまれたこの「睡蓮」は、以前、TVのCMにも使われていたから、「あぁ、あれか!」と思い浮かぶ人もいるだろう。
 死後公開するという約束で制作を引き受け、モネが最後まで手を入れつづけたという超大作。彼の画家人生の集大成ともいえる作品である。
 「睡蓮」に囲まれた、この幻想空間にいると、旅の疲れもスーッと消えていくような気がする。しばらくこの場所で旅の思い出にでも浸っていたいと思ったが、そろそろ時間だ。
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 飛行機の窓から、小さくなってゆくパリの街をしばらく見ていた。水平飛行に移ったあと、スチュワーデスさんからジュースを受け取り、備え付けのヘッドホンをつけると、松任谷由実の「ANNIVERSARY」が流れていた。なんだか、ものすごく懐かしい気がする。ほんの10日間離れていただけだが、やはり日本がいい。
 日本まであと11時間だ。


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