映画「ゴールデンスランバー」 [風雲映画帖]
映画「ゴールデンスランバー」を観た。もともと伊坂幸太郎さんの原作小説がすごく良かったし、斉藤和義のサントラもこれ以上ないという出来だったから、映画を観るのがすごく楽しみだった。で、感想はと言うと、映画も「予想どおりのよい出来」、と言ったら何だかあんまり褒めてないようだが、そんなことはない。一言でいうと「満足!」なのだ。
わずか2時間19分の映画を観て、伊坂さんのあれだけの情報量の小説の読後感と同様の満足感を得られるっていうのは、すごいことだと思う。もちろん細かな設定の変更はあるものの、全く無理のない範囲のものだったし、クライマックスのマンホールから花火の打ち上がるシーンなんて、小説を超えていたんじゃないかとさえ思う。私なんて、涙をこらえながら、スクリーンの大輪の花火を見てましたよ。
青柳雅春役の堺雅人さん、樋口晴子役の竹内結子さん、カズ役の劇団ひとりさん、まったく違和感ありませんでした。正直、最初は「堺雅人が青柳ぃ?」っていう思いもあったけれど、すいません、ピッタリでした。伊東四郎さんのお父さんもいい味出してたねぇ。そうそう、キルオ、濱田岳さんの存在感もすごかったなぁ。キルオだよ。あれ。
いい意味で、小説のイメージどおりなのがすごく良かった。ハッピーエンドじゃないけれど、何か晴れ晴れした気持ちになれるあの読後感…。映画でも、ラストの「幸福な朝食 退屈な夕食」を聞いていると、やっぱり「たいへんよくできました」のハンコを押したくなったよ。
なんていうか、そこかしこに垣間見える人と人との「信頼」という絆の存在が、見る者を心地良くさせるのかなぁ…。
それにしても、斉藤和義の音楽は見事にハマってました。最初に青柳が逃げるシーンの「逃亡のテーマ」なんて、映像と音楽が見事にスイングしてたし、雨水管を駆け出すシーンの「ランナウエイ」ではすっかり気分は青柳だったね。せっちゃんの声で「ゴールデンスランバー」が聞こえてきた時には、まだ映画ははじまったばかりだっていうのに、涙が込み上げてきたよ。
これもやっぱり、「たいへんよくできました」だね!
映画「ゴールデンスランバー」オフィシャルサイト
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