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岡部昌生フロッタージュ・コラボレーション [風雲美術帖]


 一昨日のTVニュースで、岡部昌生という作家が、旧日本銀行広島支店で「フロッタージュ・コラボレーション」というワークショップをおこなっている事を知り、どうしても参加したいという気持ちになった。
 このワークショップは、岡部氏と市民の手によって、被爆建物である旧日銀の外壁や床の凹凸に紙をあて、上から鉛筆などで擦りとるフロッタージュという技法を使った作品制作で、被爆60周年にあたる今年、その作業を通して、あらためて「ヒロシマの継承とは」を考えるというプロジェクト。参加者は、被爆建物の空間に包まれながら、壁や床についた傷やひび割れといっしょに、60年という時間の流れをペンシルで擦りとってゆくのだ。
 ぱっと見た目にはそれほど感じられないが、床をペンシルで擦っていると、実に複雑な凹凸があることに気づかされる。それは、この60年間に少しずつ刻まれた歴史でもある。正直、広島に生まれながら、自分の中でも次第に薄れつつある「ヒロシマ」。しかし、擦っていると、この場所で亡くなった人たちのこと、被爆から60年間をずっと見てきたこの建物のこと、そして、きのこ雲を見た3日後に、祖母に背負われて広島市内に入ったという母のことなどが、擦りとられてハッキリしていく凹凸のように、次々と頭に浮かんできた。
 もうすぐ、60回目の「8・6」がやってくる。


旧日本銀行広島 支店

岡部昌生展広島市民サポーター会議
広島市中区鶴見町2-4-101 HAP内
082-249-5453


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